富士山麓の桜の季節

富士山麓の桜の季節
もうすぐサクラの便りが各地から届く季節になりました。標高1000mの富士山麓の桜の季節は4月下旬です。そこで、毎年待ちきれず一足先に春を楽しみに出かけています。桃の里の“香王観音”様に会いに、それこそいそいそと出かけます。
甲府盆地は日本一の桃の産地で、4月初旬盆地の端から端まで、視界を全て何十万本という桃の花が埋め尽くします。純白に輝く南アルプス連峰や八ヶ岳の圧倒的な存在感と、麓を埋め尽くす春の喜びに沸き返る花の絨毯…。“眼福”と云いますが、自然の壮麗な営みをこんなとてつもないスケールで見せられますと、もう“天晴れ!”という言葉いがい思いつきません。よく“日本一の春の風景”といわれます。
この春爛漫を前にすると、身体が隅々まで晴れやかに笑っているように感じます。私達は自然の体内から、芽生えるように生まれてきましたから、根付いている母胎が健やかであることを知ることは、心ばかりか身体の健康にも良いものなのでしょうね。宮澤賢治の“ほんとうのたべもの”の‘ほんとうの’という言葉をかみしめるような思いがします。
桃の里の南山の中腹に、桃の花に包まれるように甲州真言七談林の一つ“福光園寺”という古刹が在ります。この時期には、晴れやかな花の風情に引かれてか人が訪れ、往時のにぎわいを取り戻します。そして桃の花の咲くように、秘仏とされる座像の“吉祥天女”仏と“香王観音”様がご開帳されるのです。

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