町田 葉子
町田 葉子 / ヨガ教師
私の故郷、徳島は、日本一のレンコンの産地だ。
至る所にレンコン畑がある。
夏の涼しい夜明け、畑に行くと、子供の背丈より遙か高いところの、傘になりそうなくらい大きな葉の上に、夜露の水玉が、朝陽に宝珠のように輝いている。
とても単なる水とは思えない、飲んだらどんなに甘いことか、そしたらやっぱり甘かった。
それら無数のキラキラ光る子分の上に、女王のごとく蓮の蕾が咲いている。
(蓮だけは、蕾も咲いているとしか言いようがない)
その姿は、祈りの形をして、そのふくらみの中には一つ一つ、ビロードのような眠りを営む命を宿し、その安らかな寝息が沁み出て周りを静かな光りの微粒子ですっぽり覆っている様に見えた。
花開けば、その瞬間、この世に決して存在しないものが空中に放たれるかのように思える。
心の中に、このパドマの花(蓮華)を育てる葉子さんから、素敵な香りに包まれた言葉をいくつも教えてもらった。
『よるか(預流果)』流れに預かる。
『 oummani padme hum 』
蓮華の中にまします宝珠よ、花開け!
この方の歩むどの一歩も、命への慈しみを欠いたものはない。
深く、美しい“愛”の人だ。