児野 とよ子

児野 とよ子 / 風舞

「ちごの」と読みます。
お稚児さんのような言葉のとおり、汚れなき優しさ、あどけなさは、一事に一身を捧げる人の特権です。

「風舞」は、月の光りのような風、天かける虹のような風、地球の安らかな寝息のような風、不思議な風を身にまとい、切なくなるほどけなげな命の火を手に始まります。

目を閉じれば、確かに感じる、生きた風の香りがこの身を包むのを。
そしていつしか、舞は鏡のような静けさの中に収まり、透明な悲しみが天上に帰っていく。

アウシュビッツや、コロセアム、百の塔の町プラハの丘、バリ、あらゆる場所でこの神話のような物語が生まれる。

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