その重力に、私は地の上に直立し、そして拝礼します。 Ⅰ/Ⅲ
♪ こんにちは! お元気ですか ♪
標高1000m、町から見れば雲の上の山中湖に住んで、心に染みいるものに一番出会えるのはやはり秋の季節、風景が毎日ダイナミックに変わります。
一夜のうちに自然が手塩にかけて描い た絵を、毎朝かけ替えているようなのです。
なんだか今日という日が、輝いて見える。
今、壮麗な’ダイヤモンド富士’や落葉松の紅葉が美しい頃です。
そして秋の夜には、『 星は昴… 』、この時期 昇りはじめる’昴 ’ほど美しい星はありません。
青い星々の中に一つ金色に輝くアルシオーネから流れ落ちる真珠の玉は、美しい調べを奏でそうで、古来世界中の民族が魅せられて美しい神話を捧げています。
【 お 空 の 出 来 事 】
*11月23日頃まで、深夜から翌日夜明けにかけて、2001年に壮麗な流れ星の雨を降らせた【 獅子座流星群 】 がピークを迎えます。
東の地平線に北斗七星の頭が上がってきますので、右隣をご覧ください。
?マークを逆にして寝かせたように獅子座の頭が昇りますが、そこを中心に降ります。
*12月10日(土)には10年ぶりに【 皆既月食の全課程 】が見えます。
[ 21:46 ] に欠けはじめ、 [ 11:06~11:57 ] の間 皆既になり、 [ 11日01:18 ] に金色の満月に帰ります。
金色の針の月が無くなった瞬間 神秘的な赤い満月が出現し、それまで見えなかった豪華な冬の星座が共に輝きます。
新雪をいただいた富士山頂に、繰り広げられるこの宇宙のドラマの一部始終を観望したいと思います。
めったにご覧になることのできない この美しい出来事を、空の澄んだ山中湖でご一緒に楽しみませんか。
┏ Marginal i a C o n c e r t
┗━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
この秋から来年末にかけて、30周年の催し事を企画して参ります。
お話:佐治晴夫 先生
11月3日 高野山大学にて、来日されたダライ・ラマ法王と対談されました。
『宇宙と生命の本質について』、対談の話題をお話ししていただきます。
【 地球への祈り 】コンサート
佐治先生も企画に参加された 『 地球交響曲 第六番 宇宙は虚空の音に満ちている 』に共に出演された、オーストラリアの先住民アボリジニの人々の楽器ディジュリドウ演奏者:K N O B (ノブ)さんと
『遮那 水のながれ光のごとく』で 谷川俊太郎さんが賛辞を寄せた笛の 雲 龍 さんのコンサートを合わせて催しいたします。
* 宿泊費+X’mas レクチャー ¥13000
お話しとリトリート:山川 紘矢さん・亜希子さん
山川ご夫妻の方のお言葉の器から溢れてなお尽きないものを、ともに過ごされる時の中で感じ取り、ご自分に必要な何かをお心の中に熟成なさってください。
お帰りになった後も、朝焼けの湖畔に共に降りられたことや裏山に上がられたこと、星の世界を共にしたこと、屋内の何気ないお言葉や微笑みを幾たびも思い返されることと思います。
そして、心に蒔かれた種はなくならず、いつか芽を出し花開くことになるでしょう。
* 料金:¥25.000(3日間会費+2泊3日夕・朝食付)
¥15,000(2日間会費+1泊2日夕・朝食付)
ご予約・お申し込み
【 ペンション.モーツァルト 】 Tel 0555-62-3364
E-Mail mozart@xd5.so-net.ne.jp
よろしければぜひおこしください。
大地を錦に染める秋のにぎわいも、はらはら舞い散る落ち葉とともに寂び、最後に『 落葉松の夜の雨… 』 が降れば、心待ちにしている星のきれいな冬はもう間近です。
高原の秋の風物詩、金と黒のコントラストが美しい落葉松林の黄葉は、木枯らし一号の吹く一夜のうちに葉が落ちて 、朝には道も林も地の上を全て落葉松の落ち葉が敷き詰めます。
後には、精緻なレースの枝先をシンメトリーな円推に編み、高く直立する幹を並べた美しい落葉松林のシルエットが残ります。
でも その一夜に外では、、夢のような出来事が起きています。
月のある夜、落葉松の葉が降り続けると、樹脂の多い落葉は月の光りに照り輝き、まさに” 落葉松の夜の雨 ” 、 霧雨が林の中に降り続けて止まず、満月の夜には 季節外れの粉雪が降り止まず、いつか林を夢幻のものと化します。
これは、これから厳しい冬の季節に旅立つ私たちへの、秋の神さまのはなむけです。
そう、高原の冬は、ピュアな美しいものをたくさん与えてくれると共に、やはり厳しいのです。
雪が降るのも、湖が凍るのも嬉し悲しで、雪原に鹿や狐を見つければ、その場が野生の命に清められたと思えて嬉しいのですが、人でさえ身に凍みる この寒空の下 、彼らは夜をどう過ごしているのだろうと切なくなります。
そして、この夏、思いがけず再会した ちっちゃな命が、この厳冬をどうやり過ごすのかとても気になりました。
それは、あの ‘ペルセウスの流れ星 ’の夜のことです。
この流星群は、夜の始めや終わりには、地平線から打ち上げ花火のように飛ぶので、とってもスリリングです。
あちこちで、「あっ、飛んだ!」って声が行き交い、星祭りの夜になりました。
そのとき、闇の向こうで、「ママ、ここにもお星さまがいるよ。」という声がして、2才ぐらいの男の子がカリヤスの草むらを指しています。
えっ! と思って草むらを見ると、あるかなきかに白い光りが確かに灯っています。
それは、今年は十分なえさにありつけず、成虫になりそこねたホタルの幼虫です。
しかし、この心もとない命でも 、来夏こそは羽化するのでしょう。
ガンバレ!って、皆共に声をかけたくなりました。
初めてこの子達に会ったのも、金色の流れ星がピュンピュン飛ぶ夜でした。
宝くじを当てたみたいな、「 あっ、飛んだ 」って声が、やはり賑やかです。
そのとき、「えっ !! なにアレ?」って、誰かが叫ぶのが聞こえrました。
星の花が咲いてる落葉松の梢あたりを、ひときわ明るい光りの粒が、スーと横に流れています。
でも、流れ星にしては いやに低い、手が届きそう…
と 見る間に、あろうことか目まえの草むらに落っこてしまった。
「UFO ?!」 全員もれなく 思いました。
? 印のまま、落こったところに駆け寄ると、ナントまた光りはじめてしまった。
「えっ !!! バクハツする ? 」 一瞬、皆ひるんだものの、懐中電灯をつけると、草の上には 5、6ミリのちっちゃな虫がとまっていました。
これはなんだ! ホタルなの?
高原の寒冷地、川のない山中湖に、ホタルがいるなんて夢にも思いません。
源・平 ボタルしか見たことがなく、この 姫ボタル (山ボタル)をはじめ日本に40数種もいるのを、初めて知りました。
平家ボタルは、ちっちゃなオレンジ色の光りをチカチカと、源氏ボタルは、ほわーとした翡翠の光りを夢見るような美しい間をとって明滅します。
ところが、姫ボタルは飛翔中は光りっぱなし、たしかに私たちが見たのも 空かける虹のように飛びました。
もしその子が、深い森のなかで闇を更なる深みに磨くサファイアの火を灯し、失われた文明のいにしえの文字を描くかのように、美しい航跡を曳いて舞えば、その場は天の移し身のように思えるでしょう。
私たちが生きている世界の全てが一粒の光りから生まれたことに由来して、人は心身ともに光りに助けられなければ生きていけません。
星と同じく生命が自ら光りを発するなんて、ちっちゃいけれど、なんて偉いやつなんだ、ホタルの火には、そんな魅力を感じます。
…‥‥・つづく・‥‥…