加島 祥造

加島 祥造 / 英文学者、詩人、タオイスト

加島 祥造

「そうなんだよ!西岡君」、学生の小僧っ子を捕?まえて、常に同じ目の高さで感じて、話してくださった。

「タオをどうしたら知ることができるかって? いま在る君自身をよーく感じることさ。 君のhere-nowを自分全体で感じることさ。」

これを聞いて、「タオ」「here-now」と何回も呪文のように唱えてみたが、何も出てこなかった。 でもある時、星を見ていて感じました。いま「在る」といま「為す」と云うことは違うんだと。

たとえば、地面に大の字になって星を見ていると、同じ見ていることでありながら立って見ている のとは感じる世界が違ってくるような気がします。 受け取るステージの深さ広さが違うというか。なにかもっと心が自由に生き生きしてくるような感じなんです。目を閉じると、肌をつつむヒヤッとした夜の大気のなかに、天空の限りない大きささえ感じらるような気がしてきます。

ちっちゃな僕の心で感じる楽しさやうれしさも、実はおっきな天地からの正当な由来をうけているのでしょうか、そんな母胎につつまれて、まるで自分がその限りなく大きな有機体の一つの細胞になれたよう気がしてくるのです。

先生の言葉は、僕たちにその誕生の由来の源に常に目を注ぎなさいと教えていたんですね。

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